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特集・コラム

介護事業の経営コラム1:介護事業の「元手」

2022/05/25

介護事業の経営コラム1:介護事業の「元手」
このシリーズは、高頭 晃紀先生(日本ケアコミュニケーションズ 客員コンサルタント)に、介護事業の経営者としての目線で寄稿いただきました。
第1回は「介護事業の元手となる資金について」、高頭先生からのメッセージをお届けします。

create 介護事業の「元手」とは

 どんな事業をするにも「元手」と「運転資金」と言う形で、お金が必要なわけです。当然、介護事業も同様です。ここでは「元手」について考えてみましょう。

 一般的に飲食業というと、お店や内装、厨房機器にお金がかかることがほとんどですので、元手が大きくなりがちです。「設備投資」が必ず必要というわけです。
一方、例えば派遣業のように、事務所と通信機器や電話など事務用品しか用意するものがなければ、元手は小さくても起業することは可能でしょう。

 また、物品販売や製造業など、商品や原材料などの「仕入れ」が必要な業種は、元手で仕入れをしなければ、事業を始めることはできません。
 つまりほとんどの業種では、大きな元手が必要なのか、小さな元手でも始められるのかが、決まっているのです。
この点から見ると、「介護事業」は、とても一括りで語れるものではないことがわかっていただけるのではないでしょうか?

 訪問介護であれば、設備投資は、事務所+事務機器。事務用品だけです。ところが、特養、さらには、高級高額な有料老人ホームになれば、初期の設備投資だけでなく、建物設備の修繕・更新費用が、とてつもなく大きくなります。

 また、福祉用具販売、福祉用具貸与は、商品の仕入れ費用と在庫置き場の確保が必要です。こちらは事業規模によって、大きな差が出るものです。
 つまり、「介護事業」と一口に言っても、「元手」の使い道や、その大小は、サービス種類や規模、テイスト(高級路線か廉価狙いか)で、大きく変わってくるものです。

 従いまして、各種統計で示されている平均値というものは、あまり参考になりません。


create 開設資金は予定・予想よりも膨らむことが多い

 筆者の経験上、「元手」=開設資金は、予定・予想よりも、膨らむことが多い、というより大半が、予定をオーバーします。

 そうなると、予備費を確保していなければ、実際には運転資金と確保していた分に手をつけることになりがちです。
実際には、一般的に施設などの「箱物」を立てる場合は、補助金、助成金、WAM(福祉資料機構)からの借り入れ、銀行融資などと自己資本を合わせて、「元手」を作ります。

 施設整備の際の補助金や助成金、WAMからの借り入れは、設備資金と運転資金に、書類上は分かれていますし、予備費というのは認められてはいません。ただしお金そのものに色がついているわけではありません。
ですから、運転資金としての借り入れ分を設備に回すことができてしまいます。

 もちろん、それは望ましいことではないわけですが、とにかくオープンさせなければならないので仕方のないことです。
ただし、それで運転資金に手をつけた場合は、事業計画の変更、現実的には早期の黒字化が求められることになります。
その場合、当面の運転資金の充実や確保が必要な場合は、銀行融資やファクタリングという手段が考えられます。

 早期の黒字化に必須なのは、まずは売上・収入の確保、増加です。
実は、売上を上げるのは、頑張ればなんとかなると思いがちなのですが、現実にはなかなかうまくいかない場合も多いものです。
今回のコラムでお伝えしたいことは、開設・開業資金としての「元手」は、予想より膨らみがちなので、予備を確保しておいた方良いというものでした。

auto_awesome 開設・開業資金の調達にはファクタリングが便利!

介護報酬ファクタリングは、通常国保連への請求後2か月かかる入金に対し、請求当月に早期資金化できるサービスです。
銀行融資などと違い、審査スピードも早く、複雑な審査書類の提出などもありません。また借り入れにもならないので安心です。
ただし、早期資金化するために一定の手数料がかかります。


次回は、運転資金の基礎について解説いたします。


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講師:高頭 晃紀(日本ケアコミュニケーションズ 客員コンサルタント)
介護福祉経営士。株式会社日本ケアコミュニケーションズ 客員コンサルタント。
1998年より、ケア管理システムをはじめ、介護保険関係のシステム開発を数々手掛ける。
介護施設への経営(介護福祉施設の稼働率向上、在宅サービスの利益向上)・ケア(利用者の健康向上、自立支援)のコンサルティング業務も数多く、講演活動も精力的に行なっている。
社会福祉法人虐待再発防止第三者委員を歴任。
近年は特に介護事業の人材定着、能力向上プロジェクトに注力している
高頭晃紀先生(日本ケアコミュニケーションズ チーフコンサルタント)

著書
『今日から使えるユニットリーダーの教科書』
『100の特養で成功!「日中おむつゼロ」の排せつケア』
『あなたを助ける 介護記録100%活かし方マニュアル ただ書くだけの記録から ケアを高める記録に』(以上メディカ出版)
『介護現場のクレーム・トラブル対応マニュアル』(ぱる出版)
『介護事業経営・運営のノウハウ:これで失敗しない!(共著 同友館)
『3ステップで目指せ一流 ホンモノの介護職になろう: ステップ1 駆け出し編 』
『3ステップで目指せ一流 ホンモノの介護職になろう: ステップ2 本物になろう編 』(339BOOKS: Kindle版)
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