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介護情報・コラム

介護事業の経営コラム4:仕事に必要な「モノ」

2022/08/19

介護事業の経営コラム4:仕事に必要な「モノ」
このシリーズは、高頭 晃紀先生(日本ケアコミュニケーションズ 客員コンサルタント)に、介護事業の経営者としての目線で寄稿いただきました。
第4回は仕事に必要な「モノ」、高頭先生からのメッセージをお届けします。

create 「モノ」が整っていないと仕事への熱意が下がる

  仕事をする際には、必ず「モノ」が必要です。この場合の「モノ」は、仕事のための「道具・ツール」や「原料・材料」そして仕事の環境を整える「設備」などのすべてです。

 ギャラップ社の「Q12」という社員の熱意を測定するための12の質問の中に、「仕事に必要な道具が揃っているか?」と言う質問が含まれています。筆者自身も実感していることですし、読者の方も思い当たるのではないでしょうか?
「道具」がない、古い、壊れているなどがあると、仕事の出鼻をくじかれる、仕事が面倒になる、効率・生産性が落ちると言うことを。

 実は、筆者はADHD(多動性注意欠陥障害)という発達障害者でして、物をなくす、外出時に必要な物を忘れる、そもそもどこに置いたか忘れる、元あったところにしまえないなどという「弱点」を抱えています。
そのため、何か仕事を始めると必要な物を探すところから始めなくてはいけないことが多く、精神衛生上にも、生産性にも良くない毎日を過ごしています。

 ADHDの人でなくとも、職場で仕事に必要なものが、すぐに手に取れない、探さなくてはいけない、壊れている、古くて性能が低いなどで、仕事への熱意は下がるものです。


create 介護現場での実例

 筆者が見たり、聞いたりする介護現場での実例の一つに、ユニットケアにおける各ユニットの食器洗い機が実際には使われていない、というか使えなくなっている例があります。
メンテナンス不備による故障、導入した食洗機のスペック不足など原因は様々です。
しかし、本来は食洗機を使用する前提で業務が計画されているはずです。食洗機が使用できなければ、その分人手と時間がかかるのは当然ですし、そのせいでいわゆる「業務が押す」ことになります。
そうすると、人手が足りなくて業務が押すので、パートさんを雇ってほしいなどという本末転倒の要望が現場から出ることさえあります。

 「なんで、食洗機買ってくださいとか直してくださいとか、言わないの?」と現場の方に聞くと、「うちケチだから、どうせ言っても無駄ですし、壊した責任を追求されたりしますから」などというあまりにも悲しい答えが返ってきたことさえあります。

 常に最新のハイスペックの道具(福祉用具も含む)を揃えていないといけないというわけではありませんし、経営上予算の課題があることはもちろんです。

 しかし、施設自体の構造から変えないと解決できないなどという大きな課題(冷暖房の効きや湿度調整、床上走行リフトが使えるかなど)から、備品消耗品の発注忘れという、小さなミスだけれども、とても困る課題まで、「モノ」にまつわる問題に、現場が振り回されたり、生産性や効率を落としたりしている場合が(想像以上に)多いということを、上層部は意識すべきです。


create 「モノ」「カネ」「ヒト」が上手く連携してこそ利益が生まれる

 「モノ」の課題を解決するには、「カネ」と「知恵」が必要です。この場合「知恵」は「ヒト」が出すのですから、「ヒト・モノ・カネ」が、うまく連携して、それぞれ活躍することが、運営・経営に最も大事なことと言えます。

・ヒトを活躍させるモノとカネ
・モノを活躍させるヒトとカネ
・カネを活躍させるヒトとモノ

上記が揃うと「利益」が生まれると考えてください。ここで言う「利益」とは単に会計上の利益だけではなく、人的資本の充実(仕事ができるヒトが多い)、業務の仕組みや人育てのノウハウや「知識」の充実(もう一つ施設を作ろうなどと言う場合、このノウハウは強力な武器になります)
 
今回で、経営資源としての「ヒト・モノ・カネ」の関係について、基本的な整理を終えました。

次回は、まず「モノ」の課題の解決方法について、解説する予定です。なぜ「モノ」からなのかといえば、手っ取り早く改善できるのは、小さな、あまり費用がかからない「モノ」だからです。節約・倹約するものと投資する・お金や人手をかけるべきものの判断が最も重要な経営判断の一つだと言うお話をするつもりですので、是非ご期待ください。


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講師:高頭 晃紀(日本ケアコミュニケーションズ 客員コンサルタント)
介護福祉経営士。株式会社日本ケアコミュニケーションズ 客員コンサルタント。
1998年より、ケア管理システムをはじめ、介護保険関係のシステム開発を数々手掛ける。
介護施設への経営(介護福祉施設の稼働率向上、在宅サービスの利益向上)・ケア(利用者の健康向上、自立支援)のコンサルティング業務も数多く、講演活動も精力的に行なっている。
社会福祉法人虐待再発防止第三者委員を歴任。
近年は特に介護事業の人材定着、能力向上プロジェクトに注力している
高頭晃紀先生(日本ケアコミュニケーションズ チーフコンサルタント)

著書
『今日から使えるユニットリーダーの教科書』
『100の特養で成功!「日中おむつゼロ」の排せつケア』
『あなたを助ける 介護記録100%活かし方マニュアル ただ書くだけの記録から ケアを高める記録に』(以上メディカ出版)
『介護現場のクレーム・トラブル対応マニュアル』(ぱる出版)
『介護事業経営・運営のノウハウ:これで失敗しない!(共著 同友館)
『3ステップで目指せ一流 ホンモノの介護職になろう: ステップ1 駆け出し編 』
『3ステップで目指せ一流 ホンモノの介護職になろう: ステップ2 本物になろう編 』(339BOOKS: Kindle版)
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